設計演習
先日、録画したタモリ倶楽部を見た。
私の母校早稲田大学の理工学部でロケがはじまりビックリしていると、 内容が「設計演習」の特集ということで2度ビックリさせられた。
設計演習とは、早稲田大学の建築学科2年生に行われる伝統的授業。 (昔は設計実習とかいったらしい)
非常に特徴のある授業であり、「こんな授業は他の大学ではない」とい われていた。
基本的な授業の流れは以下。
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1週目:課題がだされる
第一課題:「光の箱」
内容:「15cm×15cm×15cmの箱の中に光を演出 する装置をつくりなさい。」
この課題に対して1週間で作品をつくる。
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2週目:作品の提出(と第2課題の発表)
作品を提出する。(次の課題も出される。)
提出から3週目の間に講師陣が優秀作品を選び、TA(担当の大学院生)が優秀作品のスライド写真をとる。
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3週目:優秀作品の講評(と第2課題の提出、第3課題の発表、忙しい!)
第一課題「光の箱」の優秀作品の講評が行われる。
建築学科全員(私の ときは必修だった)の前で優秀作品が発表される。 200人の前(早稲田の建築は人数が多い)でスクリーンに優秀作品のス ライドが大写しになる。 この講評の際、出品者はなにもしゃべったりプレゼンテーシしたりはしない。提出したものだけで講師陣(4人くらいいる)にいろいろと勝手な解釈をされる。
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一言でいうと「現代美術のコンペを毎週やる」授業。建築学科ならではの乱暴な授業ではないかと思う。(美大とかにもこんな授業あるんだろうか?)早稲田建築らしさはこの設計演習が大きく影響しているという人もいる。
この授業、始まったとたん私は虜になってしまった。 言葉の情報が一言もなくても作品だけで勝手に講師陣に判断される。 そこにはしゃべりの上手さがまったく反映されない。 自分も想像もしていなかった解釈を勝手にしてくれるし、いい成績を収めればヒーロー気分で鼻高々だ。
結果、年上の学士入学の人たち(他の大学を卒業してから建築学科にきた)には負けてしまったが、学部では1番の成績を修めた。(ここは自慢しとく。)
この授業、どうやったらいい成績がとれるのか。途中で私なりに整理した。
1.見る人にとって目新しいこと。
2.苦労の度合いが感じられること。
1は、よく言われる「まだ誰もやってない」感じね。たとえば、今さら高いところからとった街の写真をミニチュアに見えるように加工しても誰も驚かないけど、最初にあれが出てきたときは「おお!」となるよね。ああいうのは最初にやった人がすごいんだよね。そういこと。
2は、とにかく「デカイ!」とか「緻密!」とか「どうやってこんなの作ったんだ」という感じ。よくわからないものでもずーっとおんなじ様な物つくってると評価されちゃったりするでしょ。それ。この授業に関していえば、ほとんどの人が30cm角を二枚くらいだしてくるのに対し、10枚以上描いてくる人は大体評価が高い。 見る人が作品に飲み込まれちゃうんだよね。
1と2は最低条件みたいな感じ。どっちかがあればいい。 1と2をを突き詰めると以下の3,4な感じがでてきていい成績が取れる。
3.「受け手に対する新しい体験」がある。
4.「作った人自身が作品ににじみ出てくる」
3は私が美術館で美術作品を楽しむときの判断基準に近いし、 漫画とか写真とか映画とかもこの評価の仕方にも近いところがある。(音楽はちょっと違う。)
面白いのは4でなんだかル上記の三つにのっとってないけどいい成績になっちゃうのがよくある。 なんというかその人なりに1、と2を突き詰めたら、「その人自身」が作ったものからにじみ出ちゃう。「この人はいったいどういう人で、何を思ってこれを作ったんだろう」って見る人に思わせちゃう。
なんだかうまくまとめられなかったけど、エプソンの受賞作品をこのあいだ見てそんなことを思い出した。
まあとにかくこの設計演習という授業で、狂っちゃったんだな〜。 これまで自分に「作家的な」とか「創作的な」部分があるとは意識して なかったんだけど ここで成績とるとその気になっちゃうよね。
2年生でこの授業1番とかとっちゃう人は、3年生の「設計製図」(より総合的な授業)ではいい成績をとりにくいといわれているんだけど、まったくその通りになった。
たぶん私がサラリーマンでありながら一生懸命いろいろ作っているのはこの授業のせい。
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